「最大外旋位」とはいわゆる腕のしなりのことです。
この「最大外旋位」が大きいほど球速も上がると言われています。
「最大外旋位」とは何か、「最大外旋位」を大きくするためにはどうすれば良いか、というところも合わせて解説していきたいと思います。
「最大外旋位」とは何か
「最大外旋位」はMERとも言い、投球フォームの中で肩関節が最も外旋する瞬間のことを言います。
7つの局面でいうとレイトコッキングの部分に当たります。
つまり、胸郭を開いて、腕がしなっている時に当たります。
「最大外旋位」が小さくなってしまう原因
「最大外旋位」が小さくなってしまうのは主に以下の原因が挙げられます。
・頭や体が突っ込む
・体の開きが早い
・力む
頭や体が突っ込むと「最大外旋位」が小さくなる
頭や体が突っ込んでしまうと、胸郭を十分に開くことができず「最大外旋位」が小さくなってしまいます。
頭や体が突っ込まないようにして胸郭を十分に開くことができると、「最大外旋位」が大きくなり球速が上がりやすくなります。
体の開きが早いと「最大外旋位」が小さくなる
体の開きが早いこともまた「最大外旋位」が小さくなる原因の一つです。
体が早く開いてしまい、しっかり捻転差を作ることができないと、腕の力に頼ってしまい「最大外旋位」が取りづらい投げ方になってしまいます。
「最大外旋位」が小さいと
「最大外旋位」が小さい投げ方はいわゆる手投げの状態です。
「最大外旋位」から発揮される、しなりのパワーを利用せずに投げてしまっていることになります。
こうなると、肩や肘に負担がかかりやすく、怪我に繋がりやすい投げ方になります。
「最大外旋位」の目安
体軸に対する外旋角度を測ってみると、アマチュア選手が90~104度なのに対して田中選手の場合は119度、エンゼルスの大谷選手になると132度という驚異的な角度になる。
川村卓,最新 科学が教える! ピッチング技術,2020,P71
このことから、「最大外旋位」が大きい方が球速が出やすいということがわかります。
アマチュア選手でも、体の使い方を変えたり、柔軟性を上げて可動域を広げることで今よりも「最大外旋位」を大きくすることは可能です。
「最大外旋位」を大きくするために大切な2つのポイント
「最大外旋位」を大きくするために大切なことが2つあります。
それは・・・
《可動域》と《脱力》です。
「最大外旋位」を大きくするために大切な《可動域》
「最大外旋位」に必要な《可動域》は肩関節の動きだけではなく、肩甲骨、背骨、胸椎の動きから作られます。
肩関節だけでしなりを作ろうとすると、怪我のリスクが高くなってしまうので気をつけましょう。
可動域を広げるストレッチやエクササイズはキレダスチャンネルでもいくつか紹介しているのでぜひ参考にしてください。
「最大外旋位」を大きくするために大切な《脱力》
投げる際に無駄な力が入り、力んでしまっていると「最大外旋位」が取りづらくなります。
筋肉や関節は余計なところに力が入ってしまうと力を入れてしまった筋肉が動きの邪魔をしてしまい、スムーズに動かしづらくなり、「最大外旋位」が小さくなってしまいます。
「最大外旋位」は腕がムチのようにしなる動きから生まれるため、力まないことが「最大外旋位」を大きくするために重要になります。
テイクバック時に腕の脱力ができていると、胸郭が開き、体幹が回転する動きに腕が振られるようなイメージで「最大外旋位」も大きく取りやすくなります。
最後に
「最大外旋位」が大きい投球フォームになれば球速が上がったり、怪我をしにくいフォームになります。
ただ、do baseball代表の大井さんも動画内で仰っている通り、「最大外旋位」は大きくしようとして無理やり大きくするものではありません。
普段から可動域を広げるトレーニングやストレッチを行い、テイクバック時にしっかり脱力し、腕が振られてくるイメージを持ち自然に「最大外旋位」を大きくすることが大切です。
記事内で紹介した、動画のトレーニングやストレッチをぜひ行ってみてください。
トレーニングやストレッチはすぐに効果が出るものではないので毎日コツコツ積み重ねて行くことが大切です。
積み重ねが大きな差になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。